2012年01月09日

cryptoのベンチマークを追試した

ゆうべ、cryptoがボトルネックになりうるかどうかを計測してみましたが、今朝起きて「さすがにバラつきすぎだろう」と思い、同じコードをLinuxにもっていって計測し直してみました。

同じマシンで、Windows版VirtualboxでCentOS6.2 32bit版を動かしています。

10回計測、単位は秒。

1万プロセス10万プロセス
暗号なし暗号あり暗号なし暗号あり
平均0.1050.1137.7307.806
最大0.1890.2167.8527.886
最小0.0930.0987.6947.789


というわけで、ばらつきが減って、cryptoの負荷がどれくらいかが見えやすくなりましたね。

cryptoへ一気に流し込んでも、それほど処理の影響はなさそうです。
そもそもcryptoの処理自体が(全体と比して)軽そうです。


とした結論のところは変わりません。
posted by へろ at 11:46| Comment(4) | TrackBack(0) | Erlang

cryptoの処理能力を試してみた>想定用途には余裕っぽい

というわけで、暗号化ライブラリ「crypto」の使いどころのエントリで、voluntasさんから秒間数千程度なら「気にせず使っても問題ありませんよ」とのコメントをいただいてたので、ちょっとコードを書いて試してみました。

Windows7 64ビット版
Erlang OTP R15B(x64)
CPU AMD PhenomII X4 905e 2.5GHz
メモリ 12GB

という環境で、erl.exeにて実行。10回の計測を実施、単位は秒。

1万プロセス10万プロセス
暗号なし暗号あり暗号なし暗号あり
平均0.3040.27838.28640.150
最大0.4990.500104.365117.983
最小0.1560.15610.45210.936


でした。割とばらつくのはWindows上のVMだからでしょうか。1万プロセス〜10万プロセスぐらいだと最大も最小もほぼ変わらないですね。cryptoへ一気に流し込んでも、それほど処理の影響はなさそうです。
そもそもcryptoの処理自体が(全体と比して)軽そうです。

crypto処理ありのベンチマークテストコード。

-module(cryptobench).
-import(lists, [foreach/2]).

-compile(export_all).

start(A) ->
crypto:start(),
E = encrypt_text("Hello World!"),
L = lists:seq(1, A, 1),
SendBackPid = self(),
StartTime = erlang:now(),
lists:map(fun(X) -> spawn(fun() -> sendback(SendBackPid, X, E) end) end ,L),
loop([], A),
EndTime = erlang:now(),
Diff = timer:now_diff( EndTime, StartTime ),
io:format("elapsed time: ~p (sec)~n", [ Diff / 1000000 ]),
crypto:stop().

loop(State, Count) when length(State) == Count ->
io:format("end of loop~p~n", [length(State)]);

loop(State, Count) ->
receive
{hello, Id, "Hello World!", _SenderPid} -> loop([Id | State], Count);
_ -> loop(State, Count)
end.

sendback(To, Id, E) ->
To ! {hello, Id, decrypt_text(E), self()}.

%% Encryption utilities.

encryption_key() -> <<16#01,16#23,16#45,16#67,16#89,16#AB,16#CD,16#EF,16#F0,16#12,16#34,16#56,16#78,16#9A,16#BC,16#DE>>.
encryption_iv() -> <<16#00,16#00,16#00,16#00,16#00,16#00,16#00,16#00,16#00,16#00,16#00,16#00,16#00,16#00,16#00,16#00>>.

encrypt_text(PlainText) ->
encrypt_bin(erlang:list_to_binary(PlainText)).

encrypt_bin(Binary) ->
Key = encryption_key(),
IVec = crypto:aes_cbc_ivec(encryption_iv()),
crypto:aes_ctr_encrypt(Key, IVec, Binary).

decrypt_text(Encrypted) ->
erlang:binary_to_list(decrypt_bin(Encrypted)).

decrypt_bin(Encrypted) ->
Key = encryption_key(),
IVec = crypto:aes_cbc_ivec(encryption_iv()),
crypto:aes_ctr_decrypt(Key, IVec, Encrypted).


こちらがcrypto処理無しの方。

-module(bench).
-import(lists, [foreach/2]).

-compile(export_all).

start(A) ->
E = "Hello World!",
L = lists:seq(1, A, 1),
SendBackPid = self(),
StartTime = erlang:now(),
lists:map(fun(X) -> spawn(fun() -> sendback(SendBackPid, X, E) end) end ,L),
loop([], A),
EndTime = erlang:now(),
Diff = timer:now_diff( EndTime, StartTime ),
io:format("elapsed time: ~p (sec)~n", [ Diff / 1000000 ]).

loop(State, Count) when length(State) == Count ->
io:format("end of loop~p~n", [length(State)]);

loop(State, Count) ->
receive
{hello, Id, "Hello World!", _SenderPid} -> loop([Id | State], Count);
_ -> loop(State, Count)
end.

sendback(To, Id, E) ->
To ! {hello, Id, E, self()}.

posted by へろ at 00:15| Comment(2) | TrackBack(0) | Erlang

2012年01月07日

mnesia:transaction/1から、mnesia:activity/2への変更

mnesia:transaction/1について、いろいろ書いてたところ、voluntas さんから「mnesia:transaction/1 ではなく mnesia:activity/2 を使うといいですよ。」とのアドバイスをいただいた。

mnesia:activity/2は飛行機本で紹介されてなかったこともあり、まったく知らなかったので、ドキュメントとかvoluntasさんの書かれたソースとか見てみた。とりあえず、mnesia:transaction/1に近い使い方をしたいだけなら、ちょっと書き換えるだけで使えそうな気配。具体的にはこんな感じ。

1> mnesia:transaction(fun() -> mnesia:read({sample, foo}) end).
{atomic,[{sample, foo, data_of_foo}]}

2> mnesia:activity(transaction, fun() -> mnesia:read({sample, foo}) end).
[{sample, foo, data_of_foo}]


mnesia:activity/2にするときは、
・第1引数に「transaction」を指定する。
・返ってくる値は「 {atomic, VALUE} 」ではなく、「 VALUE 」となる。
の2点でなんとかなりそう。

トランザクション以外の処理させ方もいろいろ使えるみたい。ドキュメントはこちら>mnesia:activity/2

ちなみに、存在しないテーブル名を指定するなどして失敗すると、mnesia:transaction/1だったら{aborted, Reason}だったのが、mnesia:activity/2だと、いきなりexitしてくるんですね。気をつけます。
posted by へろ at 19:57| Comment(0) | TrackBack(0) | Erlang

2012年01月06日

暗号化ライブラリ「crypto」の使いどころ

ErlangでAESとかの暗号化を行いたいときに使う「crypto」ですが、OpenSSLのライブラリ(シェアードオブジェクトやDLL)をPort経由で使ってるんですね。

Simple dungeonで、Mnesiaに保存する際にパスワードや連絡先メールアドレスなどを暗号化しようとしているのですが、この構成だと、多数のErlangプロセスが好き放題呼ぶと、ここが隘路になるので、使いどころに注意が必要な感じです。

まあ、ちょっとやそっとじゃここがボトルネックになるほどの負荷はかからないと思うのですが、いったんボトルネック判定されたら、そこからの対策が難しいので、たまーに参照するぐらいの頻度にしておきます。。。
posted by へろ at 17:31| Comment(2) | TrackBack(0) | Erlang

Erlangアプリケーションの「設定ファイル」をどう読みこませるか

Simple dungeonで、Mnesiaのノードリストや、移動処理でのインターバル値(1ブロック歩くのにかかる秒数)などをカスタマイズできるようにしたいなと思って、「設定ファイル」をどう作ればいいか調べました。

YAMLとか.ini、.confファイルのような、インストールしたアプリケーションの動作をカスタマイズするためのファイルフォーマットがあるかと思ったら、Erlangには file:consult/1 という関数が用意されていて、Erlang termで書いておけばそのままアトムや文字列、数値、リストなどを読み込んでくれるんですね。これは便利。

XMLで作って読ませることも考えたのですが、今のところはそこに注力する必要はないので、素直にfile:consult/1を使うかたちで行くことにします。

posted by へろ at 12:26| Comment(0) | TrackBack(0) | Erlang